News / Nunn Road / 2007 / No.J167 18th Oct.2007
先日の感謝祭、大変お世話様になりました。子供たちは歌や詩の練習をし、人形劇を楽しみにしながら待っていました。
特に今回は感謝祭の一週間くらい前に、ウィルス性の嘔吐や下痢、発熱などでお休みする子供達がたくさんいたのでとても心配しましたが、当日はほとんどの
子供達が治って参加してくれました。でも、日本人クラスから1名、イングリッシュクラスから5名の子供たち(全員病欠ではありません)が欠席で、会の前に
みんなで速く元気になれるようお祈りしました。
人形劇の時に、お百姓さんが持ってきたのは、ナニアの庭で取れた四つ角豆です。他に、ロングビーンも時々収穫してアンティージャネットに渡し、お昼の野菜に入れてもらっています。
子供たちが作った焼きたてのパンは、おいしかったですか?人形劇の最後に一緒に「お父さんのお空・・・ お母さんの大地・・・ 」と歌ってみんなで作り上げた感謝祭になったこと嬉しく思いました。一つ行事が終わるごとに、子供たちが大きく成長していっているようです。
人形劇のあらすじ 「水の竜」
水の竜が雨を降らせてくれるので、お百姓さん、カエル君、ニワトリ君、お花はみんな大喜びしていました。ところが、みんなの幸せを嫌う魔女が「まほうの杖」を使って、水の竜をつかまえたため、雨が降らなくてみんな困ってしまいました。
どうしようもなく、お城の王子に相談したところ、勇敢な王子は知恵もののおばあさんに教えてもらって、魔女の「まほうの杖」を取って水の竜を助けに行くことにしました。
森の中で出会った女の子が魔女の家まで連れて行ってくれ、王子は魔女が居眠りしている間に杖を取り上げ、水の竜が助けられました。居眠りから起きた魔女
は、まほうの杖と水の竜がいなくなり、カンカンに怒っていました。村では又雨が降り、野菜や花が育ち、カエル君の池にも水が十分あり、みんな大喜びしまし
た。
女の子は、森の中で見つけた「幸せの花」をたくさん集め、ナニアの子どもたちにあげたいと持ってきました。そして、最後にみんなで
♪ おとうさんのお空 おとうさんのお空
広く大きく高いお空
おかあさんの大地 やさしいね
お米やにんじん育ててくれる お米やにんじん育ててくれる・・・
と歌い、幸せの花(折り紙)を子供たちがもらって おしまい。
11月の行事予定
2日 Englishクラス卒園の会
7日 ディパバリのお祝い
8日・9日 ディパバリ休み
15日 ゆりかちゃんお誕生会
23日 だいちくんお誕生会
☆クリスマスの会は12月14日です。
7日はディパバリのお祝いをします。産休に入る前にチトラ先生が、行事のテーブルをディパバリ用にきれいに飾ってくださいました。「光の祭典」と言われるディパバリ、当日はロウソクに火を灯し、特別のおかしをいただき、お話を聞いてお祝いします。
チトラ先生は10月11月と2ヶ月間産休です。その間事務タン先生、Englishクラスジョイス先生、台所ステラ先生となります。10月10日に元気な女の子が産まれました。
子
供たちが病気でお休みの時は、みんなでお祈りします。そして、その子供が元気になって帰ってきた日など、みんな大喜びします。同じVanに乗ってきた子は
「○○ちゃんが元気になったよ~」と朝一番で皆にアナウンスしています。また、お友達のお母さんが病気になっても、とても一生懸命お祈りしてくれます。
下に添付した文章は、ペナンでACS(アジア地域福祉と交流の会)を始められ、現在クチンで福祉活動を続けられている中澤健氏のDari Kuchingという広報誌に投稿したものです。
これを書きながら、この11年間にナニアで出会った子供たち、保護者の方々とのいろいろな事が思い出され、皆様とshareできたらと思いました。
自分自身、日本では養護学校に勤めたり、また、結婚後、アメリカの障害者の共同体で働いたりし、ダンナも私も有機農業、シュタイナー教育と並んで障害を
持つ人たちのことはいつも心の中にあります。ここナニアでも、この11年間にダウン症、聾唖や肢体不自由、自閉症の子供たちに出会いました。そして、その
子たちを囲む子供たちの輪の中で素晴らしいことがたくさん起こりました。
すべての人が、この世で課せられた使命を全うするため、大切な命を授かって生まれて来ました。もちろんアンクルポー(全盲、片足切断、糖尿病、家族な
し)のように、使命の困難さがものすごく大きい人もいますが、(それでも前を向いて生きている彼は自分にとって大先生です) お互いに助け合いながら生
き、また精神界に帰っていく時、この世で自分の使命を全うすることができたなあと思えるといいですね。
P.S. 中澤健氏は、現在66歳、回りの人々、特にこの世で目立たぬ存在になりがちな人々のために尽力されています。彼もあと40年、この世で福祉活動
を続けたいと言われています。もし、彼の活動に興味、関心のある方がいらっしゃいましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
◇ACEとは・・?◇
アジア地域福祉と交流の会(ACE)は、人種、宗教、性別、障害の有無などにとらわれず、「お互いの違いを認めて支え合う」 と言う考えを基本に、ア
ジア地域を視野に活動しているNPO法人です。 具体的な活動としては、主にマレーシアで知的障害児(者)の福祉活動をしているペナンのACSとサラワク
のRCSの活動を支援しています。
ホームページ http://www5f.biglobe.ne.jp/~ace-jps/
はじめまして、ペナンの鈴本純子です。ここで11年前にシュタイナー教育法に基づいた幼稚園を始めました。C.S.ルイースの“Narnia国”のように、子供たちが何度も訪れたい帰りたい場所であって欲しいという思いから名前をNania(ナニア)にしています。
ペナンの地、人々に出会ったのは、日本人学校の教師をしていた23年前になります。中国系、マレー系、インド系、その他いろいろな民族が共に生活する緑
の豊かな南国の島は、とても魅力的な土地で、ペナン生まれのダンナに出会ってからは、ここが永遠の地になってしまいました。
ナニアを始めようと思った当初は、現地の幼稚園教育事情を知るためいくつかの幼稚園の下見をしました。どこでも、快く歓迎してもらい熱心に話をしても
らったのですが、自分の心に深く残ったのは、一生懸命されている先生たちの表情や子供たちの表情が苦しそうだなあということでした。マレーシアは、早期知
的教育中心で、特に中国系の幼稚園では、日本の6年生で習うような漢字まで紹介されているので無理もないことかも知れません。
その時、心の中で“先生たちも子供たちも本当に幸せで、楽しい時間が過ごせる、そんなオルタナティブな教育があるんですよ”ということを紹介したいと強
く思いました。幼児期に子供らしく夢中で自由に遊べる時間が持てなかったら、後になっていつその時間を持つことができるのだろう。柔軟な魂の持ち主の子供
たちが、今、想像力を豊富に使って健康な体を作り、これから続いていく人生の基盤を作ることができなかったら、彼らはどんな人生を歩んで行くのだろう。そ
んな言葉を繰り返しながら“幼稚園を始めたい”という情熱だけが、自分の中にあったことを思い出します。
でも、実際に動くのには情熱だけでは進めません。その頃お会いした中澤健先生には、たくさん励ましていただいたり助けていただきました。(彼は、ナニア
のゴッドファーザーです。)始めた頃は、日本人中心の1クラスだけだったのですが、現在は中国系、インド系、マレー系、日本人、西洋人などミックスカル
チャーで51人の子供たちが、毎日笑顔で通ってきています。彼らは、ナニアを第二の家と思い、我々保育者を第二のお母さんのように思っています。ですか
ら、休みになったら大変です。そして、病気の時も、入院中でも点滴の針をさしたまま登園して来る子までいるんです。(それは、きちんと納得させましたけ
ど、、、)そういう子供たちと一緒に8人のスタッフもナニアの家が大好きです。日々の生活の中ではいろいろなことがあります。自分や家族が病気になった
り、困ったことが起こったり、でもお互いに助け合えば、大変なことでも乗り越えられる、そんな経験ができる仲間なんです。
シュタイナー教育は自己開発の教育と言われます。私は、そこがとても好きです。人は、それぞれこの世で全うすべき使命を持って生まれてきました。回りの
人を大切にし、自分が乗り越えるべき試練を前向きに受けとめ、自分の使命を全うすることができたらと思います。毎日、忙しそうに体を動かしながらペナンの
太陽の下で元気一杯遊ぶ子供たち、病気のお友だちがいたら一生懸命お祈りしてくれる子供たち、何らかの“障害”で聞きにくい、歩きにくい、話しにくいお友
達を自然に励ましてくれる子供たち、そういう目の前の子供たちの笑顔を見ながら、この笑顔が世界中の子供たちの笑顔につながってくれたらといつも思いま
す。異国マレーシアで、日本人の子供たちとの出会い、別れも多いのですが、彼らがナニアを去って行く時は、“たくさんの子供たちが幸せになれる世の中を
作って行ってね。”と祈る気持ちで一杯です。そうしたら、地理的な距離を越えて、本当に彼らとつながっていられる、一緒に何かができると信じられます。
私は、90歳まで働くと決めているんです。あと、40年近くもあります。いつか、ペナンに来られる機会がありましたら、是非、ナニアにもお越し下さいね。
ペナン在住(会員)鈴本純子